「ヤマメ釣り」 初谷通利

コヘレトの言葉三章一節

「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある」

六月に入ると毎日雨が続くうっとうしい日々である。私は此の時節になると、雨具を持って、天然ヤマメの釣りに出かける。雨の日はよくヤマメが釣れるからである。大自然の渓流の大きな、苔むした岩の上で、きれいな小鳥が仲良く二羽で戯れている。澄んだ流れの水の向こうでは森の中から実にきれいなすんだ鴬の鳴き声とせせらぎのなんとも言えない水の音のハーモニーが・・・・・・・。全く静かできれいな空気の森林浴の世界である。

水の流れと人の身はあしたをまたるる、そのヤマメ釣り

五日市より十里木を越して、本宿(モトジュク)を北に入る北秋川より神戸川(カノトガワ)にさかのぼる。山の上の方はもやってかすんで見えない。全く都会とは違う静かな東京都下桧原(ヒノハラ)村である。

小雨降る、まづめ時 神戸の大瀧の下で釣り糸をたれる。無心で大自然の中で・・・

神の御手の中で、神の恵みを本当に豊かに感じる。私は体が丈夫で強くて幸せである。神に感謝します。

(むさしのだより 2003年 6月号より)