「虹の跡」         秋田 淳子

まだ日本は梅雨を迎えていませんが、すでに東京では、5月に入ってからひょうを伴う豪雨を体験。寒ささえ感じる、落ち着かないお天気が続いています。
 そんな、ある日の朝のことです。私の住むアパートの扉を開けたら、目の前を横切る様にカタツムリが這っていました。「えっ、こんな所に何故っ」と、頭の中に?マークが跳んだのですが、私の大好きなカタツムリ…次の瞬間には「何か良い知らせを運んできたのね」と、!で胸がときめきました。なぜならば、カタツムリが動いた跡に残る粘膜のキラキラ…これは、虹色に輝いて見えることから、西洋においてカタツムリは、幸せをもたらすシンボルの一つになっているからです。
 私たち一人ひとりも、カタツムリのようにそれぞれの歩みのあとに、何かその人だけのキラキラを残しているのです。そして、振り返ったら、そこには、何本もの虹が交差しているのが見えてくることでしょう。

(むさしの教会だより 2012年5月号)