「読書会ノート」 映画『永遠の愛に生きて』 LaserDisk観賞(C.S.Lewis原作)

映画『永遠(とわ)の愛に生きて』LaserDisk観賞

堤  毅

 

原 作 C・S・ルイス
監 督 リチヤード・アッテンボロー
脚 本 ウイリアム・ニコルソン(1993年アカデミー脚色賞)
主 演 アンソニー・ホプキンス
    デブラ・ウインガー(1993年アカデミー主演女優賞)

 

童話作家CS.ルイスの物語。

象牙の塔に篭り兄と二人暮らしの高潔な人物である彼が或る日彼のフアンだというアメリカの女性詩人ジヨイ・グレシヤム(ユダヤ系アメリカ人であるがキリスト教に改宗)の訪問を受けその後次第に彼女に惹かれてゆく。

ジヨイの突然の癌発病により彼は感情を素直に表し愛を告白する。五九歳の結婚であり、結婚式は病室で行われた。

一時奇蹟的に回復したジョイとルイスが風景画のように美しいゴールデンバレー渓谷を訪ねるシーンには感動させられた。

その後三年は旅行を含めて至福といえる生活が続き再入院後彼女は死んだ。

原作は『悲しみを見つめて』(A grief observed、新教出版社) 西村徹訳。

私には難解であったこの原作から脚色された脚本家がオスカー賞の脚本部門にノミネートされたのも宣なるかなと思われた。

年齢を超え人種を超え只ひたすらに結ばれた二人の純愛には心を打たれた。

(2003年 3月号)