2010年1月の一ヶ月は、私にとって嵐の中の一年のようだった。いろいろな事がどっと押し寄せた。私は思い出す。“傷だらけのキリスト”を。
2009年8月“徳善先生と行く・ルターとバッハの旅”の第一日目の訪問地は、ドイツから入ってすぐのフランスのコルマールだった。古い修道院を使った美術館にグリューネヴァルト作のその“傷だらけのキリスト”の磔刑図はあった。キリストは私たちのために死んで復活して下さったのだから、あなたは私のために死んで復活して下さったのだから、私は何を怯えることがあろうか。ルターは言っている「キリストに目を向けて彼にすがりなさい。そうすれば、あなたは強められ、慰められる。あなたがキリストをじっと見つめて彼を信じるなら、あなたに降りかかり、あなたを傷つけ挫けさせようとする悪はみな決して大きいものではない。」(『慰めと励ましの言葉』湯川郁子訳・教文館)
“傷だらけのキリスト”のその傷は私の傷なのかもしれません。
(ど)
(たより2010年 5月号)