「赤い扉」




『むさしの教会とシンボル』 文と絵 青山 四郎

(むさしの教会文庫 1980年 4月20日発行)
むさしの教会元牧師の青山四郎牧師による文章です。

「むさしの教会に出入りしておられても、意外に皆さんが御存知ないことが多いのではないか
と思いますので、気付いたことを書きならべてみることにしました。御参考になれば幸いです。」





平素はあまり気にせずに通っておられる方が多いかと思いますが、玄関の扉の色を覚えていらっしゃるでしょうか。

日本ではあまり見かけませんが、わざわざ赤い塗料が塗られています。この赤い色は血の色で、救い主キリストのため、キリストの体である教会のために殉教していった人々の流した貴い血のシンボルです。初代教会のキリスト者たちは、ローマ帝国の迫害や異教の未開人の乱暴にあい、たくさんの人々が信仰を守って殉教の血を流しました。

教会は、長い歴史の中でこうした人々の貴い血潮によって築かれ、支えられ、守られて来たのですから、そのことをしのび、赤い扉を押し開くたびに、感謝の気持ちを深めるわけです。

(編集者註:その後、玄関部分は改築され、現在では赤い扉ではなくなっています。)