説教集 巻頭言

巻頭言   大柴譲治

「死に至るまで忠実であれ。そうすれば、あなたに命の冠を授けよう。」(黙示録2:10)

1925年10月、鷺宮に熊本から移転してきた日本路帖神学校の中に「神学校教会」は産声を上げた。84年前になる。そして1958年、神学校を出て現会堂に移り、その名を「武蔵野教会」と改めた。石居正己先生は1959年より69年までの11年間、武蔵野教会の牧師を務められた。1969年に神学校は大学と共に三鷹に移転し、武蔵野教会はタウンチャーチとしての歩みを始めることになる。

1963年、東海福音ルーテル教会と日本福音ルーテル教会が合同して東教区が結成された時、石居先生は初代の教区長に選出された(-67年)。その頃の先生は、毎年1月に前年の説教を5-6編、ガリ版刷りの『武蔵野教会だより説教集』にまとめて発行している。この説教集はその復刻版である。ここにこのようなかたちで先生の説教集を復刻できることを心から喜びたい。

これら16編の説教は1966年から68年の間になされている。石居先生は1928年3月生まれであるから30代最後の頃の説教となる。今回改めて先生の説教に触れて、その福音の豊かさに目からウロコが落ちる思いがした。恩師との出会いを神に感謝すると共に、この説教集を通して神の御言葉の豊かな味わいを一人でも多くの方と分かち合うことができるよう願っている。

最後になったが、黄色く変色した教会だよりをタイプに起こしてくださったお二人の教会員、石垣通子姉と秋田淳子姉の忍耐強いご奉仕に感謝したい。

ここに掲載できなかった説教は教会のウェブサイトに掲載の予定である。そちらをもご参照いただきたい(http://www.jelc-musashino.org/?cat=22)。

お一人おひとりの上に、神からの祝福が豊かにありますように。soli deo gloria.

2009年9月20日 神学校創立百年の年、ホームカミングデーの主日に

日本福音ルーテル武蔵野教会 牧師 大柴譲治