「ミネソタの風(1)」 上村敏文

ミシシッピー川の上流、五大湖の一番西にあるスペリオル湖、そして北隣はカナダと言えば、大体の場所はわかっていただけるでしょうか。昨年の夏から「ルーテル学院大学若手教員養成プログラム」の一貫で、2年間の予定で、ミネソタ州セントポールのルーサーセミナリーに派遣されています。

 4月からは家族も合流し、2月に帰国された石居先生御家族の滞在された同じ家族寮301号室にそのまま入居することができました。いわゆる東南角の眺めの良い部屋です。先週、たまたま市ヶ谷のパーソン先生父子と大学のカフェテリアでばったり出会い、やはり同じ家族寮に住んでおられたと伺い、益々親近感が湧いている所です。キャンパスの美しい林や芝生にリスや野うさぎが出没して、子供達も大喜びです。

 先々月号のむさしの便りによると大柴先生のお父様も、そして神学科長の鈴木浩教授も学ばれたルーサーセミナリーは、文字通り全米、そして三十ヶ国以上の世界各国から学生、研究者が集まって来るルーテルの一大拠点となっています。最初は江藤神学校長の江藤教授が学ばれたシカゴに行く予定でしたが、アメリカの受け入れの都合で最終的にミネソタ州のルーサーセミナリーで学ぶ事になりました。清重前学長が「ルーテルキングダムのミネソタで学ぶのも良いでしょう」とはおっしゃっておられましたが、郊外をドライブしていると、ルーテル教会が次々と見えて来て、まさにルーテル教会の勢力の大きさに驚かされてしまいます。先週末、モールオブアメリカにショッピングに行った時も、道沿いに巨大な教会が見えたので、立ち寄ってみたらやはりルーテル教会。

 5月26日に行われた卒業式は、ミネアポリスにある二千人以上収容出来るセントラルルーテル教会で行われましたが、重厚な建物と巨大なパイプオルガン、そして全米、全世界へ派遣されて行く卒業生達を目の前にしてその層の厚さ、そしてルーテル教会の伝統の一端を垣間見ることができ感動しました。

 神学校、そして大学院大学としての機能を持つルーサーセミナリーに学んでいて、最も感動したことは、机を並べている学生達の多様さです。ほとんどが社会人経験者で、しかも前職が会社の重役、あるいはスーパーの経営者、元大学教授。それからエンターテイナー(4年前に受洗し、そして牧師になることを決意したとか)。あるいは主婦。また既婚者も多く、夫婦で学んでいる学生も少なくなく、講義に子供を連れて来ても先生方も全く文句を言うどころか歓迎して下さる。あるいはお孫さんが何人もいらっしゃる60代の老婦人。そして世界各国から集まって来る学生達。

 勉強は図書館さえあればどこででも出来ると思っていましたが、さまざまな背景を持つ人々との豊かな交わりは、将来の貴重な財産になりそうです。