「スマトラ沖巨大地震と津波被害の復興支援に寄せて」 中山康子

史上最大の災害とも言われるスマトラ沖地震と津波から1月が経ちました。各国から最大規模の支援金が寄せられていますが、インフラが壊滅状態のため、復興作業は場所によって温度差がある様子です。

ところで、これら被災国で復興支援にあたっているキリスト者のしかも女性の数は、ごく少数です。力はありませんし国連や赤十字、ユネスコなどの救援がすぐには届かない場所での救援活動です。大勢の行方不明者および死者などが出て、弱い立場に立つ女性と少女は暴力に会うことの危険性が高くなっています。特に監督者のいない避難所での女性と少女へのレイプ、妨害、身体的虐待の報告があります。これらの被害者数は不明ですが、性暴力を恐れて女性の移動が限定され、孤児は保護される以前に誘拐される危険にさらされています。

スリランカでは、この災害発生直前は民族紛争のため内戦勃発が時間の問題でした。災害発生後に大統領が声明を出しました。「母なる自然は人種も信仰も区別しなかった。・・・我々も同様に分け隔てなくお互いを扱うことができないだろうか」と。ピンチをチャンスにしようとの苦悩が伝わってきます。

アジアキリスト教協議会は、被災国と支援国、青年層、女性層、市民運動体、イスラム教、仏教、ヒンズー教、キリスト教の代表者に呼びかけて、1月末に今後の復興作業を模索するワークショップをスリランカで開きます。関連国、諸団体が協力して長期的な計画のもとで多角的な復興支援を申し出ています。中でも女性の視点、障害者、地域性への対応など多岐で長期にわたるものも必要です。

私はルーテル婦人会連盟の協力委員として、アジア教会婦人会議(ACWC)との関係があるので被災国から直接Eメールで情報を受け取っています。加盟国 18の1/3以上にあたる7カ国(インド、インドネシア、スリランカ、タイ、バングラデシュ、マレーシア、ミヤンマー)が被災しました詳しいことは紙面の都合で省かせていただきますが、祈りをあわせ復興のための適切な道を示されたいと願っています。

(むさしのだより2005年 2月号より)