あとがき




(東教区出版部発行ブックレット『喜びごと悲しみごと』1976年 5月 1日より)

むさしの教会元牧師で、ルーテル学院大学元教授(牧会カウンセリング)

賀来周一牧師によるやさしいキリスト教冠婚葬祭入門です。




喜びごと悲しみごと

あとがき   賀来 周一

冠婚葬祭については、さまざまの考え方や、とりしきり方があります。ここでは一応、聖書に基づいて考えればこうなるといった見地から書いて見ました。実際の場では、仲々そうもいかないといったこともありましょう。けれども、私たちにとって、冠婚葬祭の場は、信仰告白の場でもあります。どのような仕方で、信仰告白となりうるか、それをこの日本の風土と伝統の中にあてはめることの課題がここにあることを考えたいのです。さまざまのご意見をいただきたいと思っております。

参考文献

山内六郎著『キリスト教冠婚葬祭入門』(聖文舎)は、実際の場合について書かれたもの。比屋根安定他著「キリスト教式葬儀とその異教地盤」(日本基督教団出版部)は死と葬儀について聖書的に取り扱ったもの。同じく教団信仰職制委員会編『死と葬儀』はこの問題を広く歴史的神学的に扱った好著。分り易く読めるのは、「信徒の友」1975年11月号特集「死とその前後、死と葬儀をめぐって」。その他『百万人の福音』昭和48年二月号以降に特集記事「キリスト教慶弔学辞典」が連載されているが、倫理的な見地で書かれている。一般向きとしては塩月弥栄子『冠婚葬祭入門』(光文社、全四冊)はキリスト教式についても記載されている。最近、こうした類書は、たいていの場合キリスト教にふれて書かれている。

著者略歴

賀来 周一 昭和6年、福岡県直方市に生まる。直方教会にて故高島貞久牧師より小児洗礼および堅信式を受く。昭和33年日本ルーテル神学校卒、同年立教大学大学院卒、昭和39年~41年ハマ神学校留学。京都加茂川、東京(副牧師)、札幌武蔵野教会牧師を経て、現在ルーテル学院大学教授(牧会カウンセリング)。武蔵野時代には日本福音ルーテル教会総会議長を四年間務める。訳書として、ハイック著「キリスト教思想史」(聖文舎)、ニュービギン著「世俗化と真実の信仰」(聖文舎)。著書として『実用聖書名言集』(講談社)。

編集者あとがき   大柴 譲治

これは日本福音ルーテル教会東教区出版部から1976年5月1日に、ブックレット『信仰生活シリーズ4』として出版されたものです。賀来周一先生は、75年間にわたるむさしの教会の歴史の中の21年間を、当教会の牧師として仕えてくださいました。そのお働きを感謝しつつここにアップロードさせていただきます。
なお、このブックレットをテクストファイルに起こしてくださった当教会員の高橋光男兄の労を多としたいと思います。

soli deo gloria! (2000/03/15)