(東教区出版部発行ブックレット『喜びごと悲しみごと』1976年 5月 1日より)
むさしの教会元牧師で、ルーテル学院大学元教授(牧会カウンセリング)
賀来周一牧師によるやさしいキリスト教冠婚葬祭入門です。
喜びごと悲しみごと
そうは言っても、世間の相場ではと言わないでください。こういう所にこそ物の考え方、ことに信仰的な物の考え方をきちんとしておかねばなりません。披露宴が主で、式がつけたりのようになっては困ります。人が本当に結婚をするのだなという決断をするのは、結婚式の時です。そのことを考えて、披露宴を考えておきたいと思います。披露宴の仕方は千差万別です。会堂での質素なティーパーティーもあれば、ホテルでの豪華なフルコースもあります。こうしたことは、人おのおのの判断によることです。
実際の方法については、冠婚葬祭入門のたぐいの本を見れば詳しく書いてあります。和風、洋風、中華風に至るまで、そして予算的にもいろいろです。けれども、無理をして見栄を張る必要はまったくありません。その人、その人にふさわしい在り方があります。質素であっても人は、本当の気持の表われた席を求めます。自分たちの気持を本当に表わす仕方を考えるのも楽しいことです。ただ、ひとりよがりの仕方はつつしまなければなりません。他人の気持もよく汲み取りながら、自分たちの本当の喜びを分ち合って貰う、そんな披露宴でありたいと思います。