スオミの結婚式  ヨハンナ・ハリュラ

 フィンランドで結婚式をするのに一番多い時期は、夏と特に6月のMID SUMMERの時です。夏は一番きれいな時期で、結婚式の準備をするための夏休みがあります。結婚式は普通、大勢の人々が出席できるために、夏休み(6月か7月)とか土曜日に行います。フィンランドでは、結婚式はたいていいつも教会でやります。結婚式の中にはいっぱい音楽がありますし、クリスチャンの場合、今流行っているのは聖餐式です。普通はその時教会からプレゼントとして聖書をいただきます。

 結婚式の後で皆は一緒にお祝いのテーブルに出席します。”JUST MARRIED”は教会のドアから、外へ、特別な車でお祝いのパーティーに行きます。教会の中から車までの間は参加者が”JUST MARRIED”の上へお米を投げます。お米からまた新しいお米が実るように、小さな可愛い家族が増えますようにと願って。

 お祝いのパーティーと色々な準備はたいてい家族と友達と一緒にします。そして特に夏の場合には、大きい家や、庭があればそこで行います。これは昔からのことです。お天気のいい日、寒くない時は建物の外、お庭、大きな木のそば、湖のそばや、キャンプ場でも行います。大切な結婚式を緑の中でたくさんの人たちと一緒にお祝いするためです。春、冬、寒い時期には教会の大きな部屋で行います。

 パーティーは、家族も、友だちも、皆が一緒になっておしゃべりし、自由で楽しい、明るい雰囲気です。友人たちが、二人の子どもの時から今までのことを、詩にしてそれを歌ったり劇をしてお祝いします。この席でクリスチャンの場合は、「結婚の本当の意味は何ですか」についてアドバイスもいただきます。二人へのプレゼントは、新しい家で使うもの、二人にあげたい特別な思い出のあるもの、びっくりさせるもの、寄せ書きの書かれた特別なアルバムなどです。今、フィンランドの結婚観は変わってきました。

 今のフィンランド人の結婚観は、言葉通り、kahden kauppa 「二人にとって大切なこと」なのです。自立している二人の個人同士の結び付きなのです。以前フィンランドでもあって、家族や農業、商売などのために結婚することはありません。もともと花婿さんの家族との絆のしるしとして使われた結婚指輪は、今は結婚する二人の愛のしるしだけの意味となっています。・・・伝統的な結婚式のセレモニーマスターである牧師たちの態度は「裁くな」ということかもしれません。結婚のことで相談がある時、「しなさい」より「お勧めします」という牧師さんのお話がしばしば耳に入ってきます。(雑誌 FINLAND SISU より引用)

 結婚と家族の問題が増えたので、教会がそのためにカウンセリングセンターとプログラム、例えばキャンプなどを行うようになりました。教会は結婚と家族のことを大事にして守っていこうとしています。

(2002年 6月号)