たより巻頭言「収穫の秋 2002 を迎えて」 大柴 譲治

「もしわたしが今日あなたたちに命じる戒めに、あなたたちがひたすら聞き従い、あなたたちの神、主を愛し、心を尽くし、魂を尽くして仕えるならば、わたしは、その季節季節に、あなたたちの土地に、秋の雨と春の雨を降らせる。あなたには穀物、新しいぶどう酒、オリーブ油の収穫がある。」(申命記11:13-14)

 収穫の秋を迎えた。今年も秋田から裏山で取れた栗を送ってくださった方がある。主の年2002年は私たちの教会にとってどのような実りをもたらしてくれるのであろうか。

 1925年10月4日(日)に鷺宮の路帖神学専門学校(現在はその跡地に白鷺ハイムが建つ)の一室で礼拝を開始した日本福音ルーテル神学校教会は、 1958年4月に現在地に新会堂を献堂し、武蔵野教会と名を改めてその歩みを重ねてきた。二年前に75周年の歩みを記念したが、この10月6日(日)には賀来周一先生をお迎えして喜寿を祝う記念礼拝を守る。この秋にはそれと相前後して三つの新しい試みがなされる。

 第一は、現在発売中のファッション雑誌SPUR(集英社、発行15万部)の11月号にむさしの教会がグラビア4ページで登場していることだ。撮影者の確かな腕と相俟ってヨーロピアン調に彩られた礼拝堂は息をのむほど美しい。このような場で礼拝を守ることができる私たちはまことに幸いであると言えよう。

 第二は、ほぼ二年をかけて準備してきた記念誌『私たちの教会の75年の歩み』が完成したことである。10月6日より販売を開始する(一部千円)。川上範夫委員長を中心とする編集委員会(故河野通祐、小笠原悦子、橋本直大、藤田明、小山茂、秋田淳子の各氏)の労を多とし、心から感謝したい。2001年11 月に天に召された河野兄は、これに寄稿された文章が遺稿となられた。また、長い間むさしの教会を守り続けてくださった緒方順子姉が9月6日に95歳で天の召しを受けられた。そこには緒方姉に贈られた敬老カードも掲載されている(p222)。

 第三は、むさしの教会はこの10月25日、阿佐ケ谷ジャズストリートに参加する。客員メンバーのMike Price氏とその Jazz Quintettの演奏を私も心待ちにしている。

 収穫の秋。いのち輝く秋。個々の出会いが秋の光の中にキラキラと輝いている。神さまに与えられた今この時を、備えられた一つひとつの出会いを大切にしながら歩んでゆきたい。この75年間の守りと導きを神に感謝しつつ、これからのすべてをも主の御手に委ねて。