編集室から

幼少期にあった不可思議な体験(感覚)が無くなって久しい。そのころ世の中はWonder(不思議・驚き)に満ちていた。見るもの、聞くものの多くが未知である故、固定観念に縛られる事無く、起きる出来事をとらえていたのだろう。例えばデジャブ(既視感)と呼ばれる感覚もその一つだ。初めて見る光景にもかかわらず、既に経験した想いが湧くのはどうしてだろう。

学生時代のある時、急に起こったデジャブ:「この状況は以前経験したことがあり、次に何が起こるかも分かる」を、その場にいた友人達にどうしても証明したくて、急いで次に起こる出来事を話した。結果は…何と、正に自分が予言した通りの展開になったのだ。後にも先にも証明できたのはその一度だけだ。いつからか身につけるべき「世の常識」が増えるにつれ、そのようなWonderに満ちた感覚・経験も次第に姿を消していった。

西洋の言い伝えにはこうある -世の真実とは「Seeing Is Believing」(見えるものが信じられるもの)ではなく、「You See What You Believe」(あなたは自分が信ずるものを見る(経験する)ことになる)- と。この言葉が心に刺さる今日この頃である。(髙)