「大きな鳩」




『むさしの教会とシンボル』 文と絵 青山 四郎

(むさしの教会文庫 1980年 4月20日発行)
むさしの教会元牧師の青山四郎牧師による文章です。

「むさしの教会に出入りしておられても、意外に皆さんが御存知ないことが多いのではないか
と思いますので、気付いたことを書きならべてみることにしました。御参考になれば幸いです。」




ステンドグラスの向かって右側の壁面に、大きな鳩が下に向いています。これは聖霊のシンボルで、これも山本常一先生の作品です。

キリスト教美術の分野では、鳩はいろいろな意味に用いられてきました。先ずあの大洪水の時、ノアの箱舟から放たれた鳩は、オリーブの若葉をくわえて帰って来て、水が引いたことを知らせ、神様が人間に平和を約束されたことを示しているというので、平和のシンボルになりました。

もう一つは、モーセの律法に、幼な子を主に捧げる時、山鳩や家鳩をささげることがしるされています(レビ記14:22、ルカ2:24)。そんなことで、清めとか純潔とかのシンボルにもなりました。

しかしなんと言っても、シンボルとして一番広く用いられているのは、聖霊です。これはイエスが、ヨハネから洗礼を受けられたとき、聖霊が鳩のように天から下って、イエスの上にとどまったと聖書(マタイ3:16、マルコ1:10、ヨハネ1:36等)に記されているところから来ています。

鳩の頭のまわりに、光輪がついています。これは聖なるもの、栄光等のしるしです。