「ノアの箱舟のレリーフ」




『むさしの教会とシンボル』 文と絵 青山 四郎

(むさしの教会文庫 1980年 4月20日発行)
むさしの教会元牧師の青山四郎牧師による文章です。

「むさしの教会に出入りしておられても、意外に皆さんが御存知ないことが多いのではないか
と思いますので、気付いたことを書きならべてみることにしました。御参考になれば幸いです。」






門を入ると直ぐ左側の壁に、ノアの箱舟の雄大なレリーフがあります。新制作派協会の重鎮で彫刻家の山本常一先生が、会堂を建てる時に全面協力して、いろいろなものを造って下さいましたが、これはその中の重要作品の一つで、『芸術新潮(昭和33年6月号)』にも紹介されました。

新約の時代から、旧約聖書はいつも新約聖書との関連で理解されました。ですから旧約聖書の中のノアの箱舟の話は、教会の姿を示すシンボルと考えられています。それは、すべてのものが洪水のために滅ぼされて時、ノアの箱舟は選ばれたものを守って、波間をただよい、これを無事救いました(第一ペトロ3:20)。

聖アンブロシウスは、その著書の中で、教会を舟にたとえていますが、その根底には、ノアの箱舟の話があるようです。

WCC(世界キリスト教協議会)のマークに、小舟が用いられているのは、御存知の方が多いと思います。