あとがき 大柴譲治

宣教75周年記念説教集『祝宴への招き』

むさしの教会は2000年10月8日に宣教75周年を祝いました。それを記念して出版された歴代牧師7人による教会暦に沿った説教集です。




1925(大正14)年10月 4日、私たちは鷺宮のルーテル神学校の中に最初の礼拝を守りました。「日本福音ルーテル神学校教会」の誕生です。それから75年。1941(昭和16)年には阿佐谷教会と合同。1958(昭和33)年には現会堂が完成。その際に名称も「日本福音ルーテル武蔵野教会」となりました。1998年よりは通称名「日本福音ルーテルむさしの教会」をも用いています。この75年間、時が良くても悪くても、私たちは一貫して、福音の説教と聖礼典の執行とによって養われ、ここまで導かれてきました。75年というと単純計算で27,393日(閏年を18回数えています)となり、この間に3,913回の主日礼拝が守られたことになります。今私たちは、宣教75周年を記念して、これまでの歩みを神さまに感謝すると共に、これからの歩みをもすべて主のみ手に委ねつつ、一つのマイルストーンとしてここにこの説教集を公にしたいと思います。

ここにまとめられた説教にはどれもその基調音として「喜び」が響いています。キリストのセレブレーション(祝宴)に共に与る喜び。『祝宴への招き』というタイトルはそこから取られました。

この説教集には歴代牧師の中から、青山四郎(在任1941-57)、石居正己(1959 69)、ルーサー・キスラー(1966-86)、賀来周一(1969-90)、石居基夫(1990 96)、徳善義和(1996-97)、大柴譲治(1997-)という 7名の牧師によってなされた14編の説教が教会暦に沿ってまとめられています。当教会に関わった歴代牧師・宣教師としては他に、エドワード・ホーン (1925-35)、三浦豕(1925-41)、益田啓作(1957-59)の各牧師、ドイツからのヨハンナ・ヘンシェル(1964-66)、フィンランドからのヨハンナ・ハリュラ (2000-)という二人の信徒宣教師がおられます。また戦争中(1941-45)には、名尾耕作、青山彦太郎、北森嘉蔵の各牧師もお手伝いくださいました。その他にも、お名前を挙げることはいたしませんが、これまでに私たちの教会には多くの神学生や牧師、宣教師が関わってくださいました。当教会から献身された牧師もおられます。そのご家族をも含め、多くの方々のご奉仕の上に今のむさしの教会は存在しています。そのことをもここに記して感謝したいと思います。

この冊子をまとめるための実務はすべて、教会員の橋本直大兄が取ってくださいました。その労に感謝したいと思います。また、このようなかたちでこれをまとめることができた背景には、現在343号を数える『むさしの教会だより』の存在があります。これまで『たより』の発行に関わってくださった編集委員をはじめ、歴代の編集長に心から感謝してその労をねぎらいたいと思います。

そのような理由から、この説教集は75年にわたる協働作業(コラボレーション)の成果であるとも言えましょう。「大切なのは、植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です」(1コリント3章7節)とパウロが語るように、何よりも私たちはそこに働いておられる神さまの恵みのみ業に目を向けたいのです。それを踏まえた上で、今この小説教集をむさしの教会につながるすべての人のために捧げたいと思います。

神さまの祝福がお一人おひとりの上に豊かにありますように。

2000年10月8日  3914回目の祝宴の日に   s.d.g.

日本福音ルーテルむさしの教会  牧師  大柴 譲治