大きな悲しみの中で  ヨハンナ・ハリュラ

 最近世界中で色々なテロと爆発のことがあります。もちろん一番よく覚えているのは一年前のニューヨークとワシントンのことです。そしてその後にバリとモスクワなどの事件も起こりました。これを全部思い出すと怖く感じることがあります。私は子供の時からフィンランドにいて、私の祖国フィンランドでとても安全に過ごしました。けれども最近フィンランドはすごく変わりました。例えば今年の夏私がフィンランドにいた時、ヘルシンキで車が爆破されました。この時もひとり亡くなりましたが、良かったのはあまり大きな影響がなかったことです。

 そしてまた今月、大きなショッピングモールの中で19才の男の人が爆弾を爆発させました。この事件で7人が亡くなり、大勢の人々が大変な怪我をしました。実はこのような事件はフィンランドでは本当に珍しいことです。そして今回のことでフィンランド人は大きなショックを受けました。この事件を起こした青年は、その青年の良い家族からも又だれからも何も変なことを気づかれなかったからです。けれどもこの青年はインターネットで爆弾のことについて調べました。その結果このことを出来るようになりました。実はこの事件は、今年の春むさしの教会に来た私の友達の家族のすぐ近くでした。その家族もこのショッピングモールによく買い物に行きます。その時この家族は無事だったけれども、例えば、教会の熱心な青年の一人がこの事件で亡くなりました。このショッピングモールは青年の集まる場所として有名だったので、この事件で亡くなった7人のうち6人が青年でひとりは子供でした。これもその地域と他の人に大きなショックとなりました。

 この事件の後すぐ、色々なカウンセリングと家族を慰め励ますグループが始まりました。それが今回は早くて、役に立って、本当に必要なプログラムでした。教会からこのようなサービスがあるのはとても良いことです。そして次の日、追悼礼拝が近くの教会でありました。そこに人々がたくさん集まり、フィンランドの大統領と首相も出席されました。このような深い苦しみの中で一緒に教会で、一緒に静かな祈りの時を持ち、一緒に悩み、一緒の気持ちになる、それが信仰の恵みのはたらきでしょうか。

 (2002年11月号)