ヘビ・マムシ(蛇/蝮) 石垣 通子

 イエス様の言葉に「蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい」(マタイ10:16)とあります。イスラエルの人々は蛇は知恵を持った動物と考えていたようです。彼らは大きな獲物を呑み込む時は顎の部分に特殊な骨があり、下顎を大きく開くことが出来ます。又中には毒を持ったものも多く、毒蛇による人身事故が多いため、その頭を砕くことが必要だったと思われます。「彼はお前の頭を砕き…」(創世記3:15)とあります。もともと毒蛇の毒は獲物を殺すためのものです。そして一度使ったら、再び毒をためるには時間がかかるのです。

 又、蛇は薬用としても使われたり、スープなどにして食用ともなりますが、聖書は食べる材料ではなかったのです。レビ記11章41節の汚れたものとして腹で這うものは食べてはならないとしてあるが、同11章29節に蛇は入っていません。

 又、バプテスマのヨハネがファイサイ派やサドカイ派の人々に対して「蝮の子らよ……」(マタイ3:7)と叫ぶ。

 蛇は最初の書である創世記3章にエバを誘惑する話に出て来ます。そして最後のヨハネの黙示録20章にも出て来ます。