善悪を知る木~りんごとあんず(1)   池宮 妙子

「……しかし善悪の木から取って食べてはならない。」(創世記2:16)

「女が見ると、その木はいかにもおいしそうで、目が引き付け、賢くなるようにそそのかしていた。女はその実を取って食べ……」(創世記3:6)

「ぶどうのお菓子でわたしを養い、りんごで力づけてください。わたしは恋に病んでいますから。」雅歌2:5(その他として同7:8、8:5)

「ぶどうの木は枯れ尽くし、いちじくの木は衰え、ざくろも、なつめやしも、りんごも、野の木はすべて実をつけることなく、人々の楽しみは枯れ尽くした。」(ヨエル1:12)

「時宜にかなって語られる言葉は、銀細工に付けられた金りんご」(箴言25:11)

 人類の始祖アダム、イヴの物語りに登場する「善悪を知る木」については、植物学者間では、聖書の文面から、りんご、すもも、あんず、オレンジ、シトロン説がありました。

 快適な木陰を作る材木で、果実は見た目に魅力的で、味は甘く、芳香があり、元気を恢復させる成分を含み、金色で、銀色の葉の中に実るという植物。古い時代から、レバント地方に生育したという植物を調べて見ました。

(2000年 3月号)