編集後記 「かなしみ」 秋田 淳子

郵便局から出てきたところ、向こうから小学生の男の子が数人歩いて来るのが見えました。瞬間、「どこかに隠れよう」と思ったのですが、「何も隠れる必要なんか無いじゃない」という思いに奮い立たされて、私は彼等の前で自分の車に乗り込みました。案の定、彼等はこちらを指指して笑っています。

今に始まった事ではありませんが、最近、こういうことがとても煩わしく感じられてなりません。心の中では「いいじゃない、どんな人がいたって。いちいち笑ったり、不思議そうに反応しないでよ!」と声にならない文句が・・・。そして、エンジンを駆けた私は少しでも傷つくのを恐れて「私は、車の運転が出来るのよ。見てごらんなさい」という思いを込めてアクセルを強く踏んで、その場から走り出しました。

今までの私なら「勝手にさせておけばいいわ」とすぐ気持ちの切り替えができたのですが、最近は数日間尾を引くことがあります。何をもってこの状況を乗り越えればいいのか、分からなくなることがあります。