編集後記 「よみがえりの朝」 秋田 淳子

普段ちゃんと手入れしていない庭でも春の気配を感じるとスイセン、ヒヤシンス、ハナニラ、紫ダイコンなどの草花は毎年のように地面からしずかに姿をあらわし、ボケ、コブシ、ユキヤナギの木々もゆっくりと花開きます。

春先の花はどれも音もなく咲き始めるのに、咲き誇るその姿には何かとても大きな意識を感じます。それはもしかしたら、世の中がどのように変わろうとも乱れることのない呼吸のリズムを保っている自然界の自信なのかも知れません。

イエスさまが十字架にかけられて亡くなった日は、人々の悲しみと動揺で空気は重苦しく、それを取り囲む世界も暗く寂しかったに違いありません。

しかし、イエスさまが復活されるまでの3日の間に、自然界の全てのものの内に新しい生命が育まれ、イエスさまがよみがえられた日の朝にはそれまでの重く暗い世界をはねのけるかのように草木は花開き、喜びが人々の思いに満ちあふれたことでしょう。私たちも今このときを高らかに賛美したいと思います。

(2001年 4月)