編集後記 「心の糸」 秋田 淳子

人と人との心は、いつも何か見えない糸でつながっているのだと思います。

自分と相手とを結んでいる一本の糸。お互いが良い緊張感に置かれていたり、元気なときには、その糸はピーンと張っています。しかし、自分が疲れているときには自分が相手を引っ張っていることも、相手から自分が引っ張られていることもしんどくて、自然に力を抜いて糸をタラーンと緩めていたくなります。そのような状態の間は、お互いの気持ちは伝わりにくくなるかもしれませんが、自分を守りながらも、相手とのバランスを保っているのですから、それはそれで良い関係なのです。

そして、また自分が元気を取り戻したときには、つながっている糸をまっすぐに直しましょう。そうしたら、ピーンと張った糸を通して自分の思いや気持ちが鮮明に相手に伝わって、それと同じように相手からのメッセージもはっきりと聞こえてくることでしょう。

つながっている心の糸を大切にして、決して切るようなこのないように。

(2001年 6月)