むさしのだより「井戸端の戸」 パンセ

去年の夏“St.マルガレテン受難劇とルターゆかりの地を訪ねて”の旅で立ち寄ったドイツのエルフルトは、川と大聖堂と修道院のある静かな美しい町である。

ルターが修道院生活を送ったのは、ここのアウグスチヌス修道院だった。修道院には今もルターの部屋が残されている。

川を越えて大聖堂に向かう通りに面した小さな雑貨屋で私は、2002 年の日めくり暦を買って帰った。

毎日がめくる毎に過ぎていき、3月31日のイースターとなった。3月31日の日をめくると、はぎとった薄っぺらい紙の裏には、あの“葦”で有名なパスカルの言葉があった。

曰く、「イエス・キリストを二つの契約の中に眺めてみると、旧い契約(旧約)は彼を期待像として、新しい契約(新約)は彼を理想像として、どちらもイエス・キリストを中心に置いている。」(パスカル)(ど)