「ブラジル便り(1)」 徳弘浩隆

むさしの教会の兄弟姉妹の皆様、

遠いブラジルから皆様にご挨拶申し上げます。皆様お元気にお過ごしですか?ここのところ、日本は真夏日もあるように聞きますが、こちらサンパウロはひと雨ごとに寒くなり、昨日6月21日で冬に入りました。

先月ペンテコステを迎えましたが、聖霊を受けて色々な国の言葉を話し、福音を説いた弟子たちのように、私ももっとポルトガル語が一気に上達すればと思いながら、苦心しているところです。

さて、皆様に送り出していただき、4月23日にブラジルに到着し仕事を始めておりましたが、先日の日曜日5月24日に教区長が来てくださり、就任式を無事していただきました。

派遣されたのはブラジル福音ルーテル教会(IECLB)のサンパウロの日系パロキアで、サンパウロ教会、南米教会、ジアデマ集会所の三拠点で教会共同体を形成しています。ここに日系二世の大野健牧師とともに私が働いています。就任式は、70名ほど参加してくださいましたが、通常はそれぞれの教会は12名ほどの礼拝出席です。

今後の課題やビジョンは、高齢化された日系会員の方々への充分なケアと、新たなメンバーの伝道、2-3世の青少年の伝道、ジアデマの青少年への伝道と奉仕をしながら、二つの教会がより良い共同をして成長していくことです。

そして、数年以内に日系二世の大野先生が引退され、日本からの宣教師の期限が終了しても、この教会で育ったブラジル人神学生が無事に良い牧師になり、ますますこの教会を盛り立ててくれるようになることです。

世界同時不況でブラジルでもファベーラと言われるスラム街や失業者の生活は苦しく、また日本でのデカセギから帰国してくる方々にも心のケアが必要と聞きます。日系キリスト教連盟でも「おかえりなさい・プロジェクト」といって、ブラジル帰国者への情報提供やサポートをする働きを始めようと先日話し合われました。ブラジル福音ルーテル教会も、「神のミッションと、私たちのパッション」と題した宣教方策を掲げ、伝道や社会への奉仕に一生懸命取り組んでおられます。

困難はありますが、楽しく、精一杯に伝道をし、この地の教会の将来をよりよいものにしていく事ができればと、楽しみながら努力を始めたところです。

6月18日はブラジル日本移民101周年の記念ミサがカトリック教会であり、参加してきました。

また、昨日6月21日はバザーも実施しました。日本から船便で送っていただく古着や雑貨・古書類はこの地では品質も良いからと、好評のようです。また、日系人・ブラジル人を問わず、教会へ足をはじめて運ぶ良い機会ですから、伝道の良いチャンスにもなります。「古着を送っても失礼だし、送料もかかって効率が悪いので献金のほうが?」と私も日本にいるときは思っていましたが、どうもそうではないようです。新聞に掲載してもらい、またビラやポスター掲示をしていましたが、連日電話での問い合わせがありました。ポルトガル語の問い合わせも多く、対応に苦心しながら頑張っています。

日本の教会もアメリカやフィンランドの宣教師のおかげで成長してきましたが、ブラジルの日系教会も日本に依存していないで早く自立自給できるように道を見つけて、現地にバトンタッチしたいと願っています。そのためにも、伝道が進みメンバーも増やされるように祈っています。

こちらの働きや生活の模様は、インターネットのウエブページでもいつでもご覧になれますので、是非、ご覧ください。 http://www.mission-brasil.blogspot.com

そして、今後とも、お祈りとお支えを、よろしくお願いいたします。

皆様の上に、神様からの豊かな祝福がありますように。

(むさしのだより2009年 7月号より)