「ブラジル便り(2)」 徳弘浩隆

ブラジル便り(2)

徳弘浩隆(日本福音ルーテル教会ブラジル派遣宣教師)


<真夏のサンパウロからFeliz Natal!>
Feliz Natal(フェリース・ナターウ)は、Meryy Christmasの意味です。この時期、日本同様、街ではクリスマスの飾りや、関連用品が売られています。ただし、どうもチグハグなのは、買っている人は半ズボンのお兄さんやタンクトップのお姉さん達なのに、サンタさんだけが厚着をしているということです。

さて、気が付くとあっという間の7カ月ですが、おかげさまで2人で元気に頑張っています。先回のご報告以降のことをいくつかピックアップしてご報告します。
<1. パソコン教室、日本語教室>
教会に少しでも多くの方に来ていただき、日系社会への奉仕にもなればと始めました。新聞でも紹介していただき、電話も多く頂きました。パソコン教室は日本語で相談に乗ってくれる所が少ないとのことで、おもに一世の方が来れらます。日本語教室は、60歳過ぎの二世の方々が定年後に日本語を話せるようになりたいと、来てくれています。二つの教室で20人程登録され、水・木の二日間に入替りで5-6人の方が定期的に通われています。
<2. ポルトアレグレ>
ブラジルの南、ドイツ系住民の多いこの街にブラジルのルーテル教会の本部があります。この街で家庭集会があり、数カ月に一度出かけます。8月にはお盆の記念会がありました。仏教、カトリック、プロテスタントと順番に式をしました。会衆は「入れ替えなし」でお坊さんと神父さんと私が交代で担当し、海外の日系社会ならではの風情でした。
<3. ポルトガル語礼拝>
通常礼拝は一世と二世の方で高齢の方が多いですが、将来のことを考えポルトガル語礼拝も始めました。渡伯4か月目からの無謀な挑戦ですが、何とか続けています。二世やブラジル人の方も来てくれるようになり、奏楽や司式、イラスト描きなどで手伝ってくれ感謝しています。日語部とポ語部が出来てバトンタッチしてゆける教会になる様祈っています。
<4. 南米教会とモジ集会所>
パロキアという教会共同体を南米教会と組んでいますので、そちらの礼拝も月一で担当し、高速バスで一時間ほどの街の家庭集会にも毎月出かけています。ファベーラ(スラム)の子どもたちの教育や支援もしています。
<5. 日本のデカセギから急遽帰伯の日系人>
数人が教会に来てくれるようになりました。教会員も気にかけ祈ってくれています。日本で18年の人生のほとんどを過ごし急遽帰伯し、日本語しか話せず苦労している青年もいます。教会で無料ポルトガル語教室開催を検討し、仕事も一緒に探しました。何軒も当たり、以前知り合いになった日系レストランの社長さんに頼んでみたらようやく雇用してくれました。一緒に泣いたり笑ったりの日々です。教会に続けて来てほしいと願っていますし、教会が彼らの拠り所になれればとも思います。彼らも入れると、ブラジル人、日系一世、二世、三世、四世がそろうことになりました。
<6. バザー>
年二回の予定ですが、今年二度目のバザーが11/29です。新聞にも大きく取り上げていただき、前評判も上々です。収益は緊急な大きな課題、教会移転の会堂献金と、故障して買換えが必要な中古車購入献金に充てられます。
<7. 教会移転問題>
以前から何度か立ち退き提案があったようですが、9月くらいから近隣の取り壊しが始まりました。大きなショッピングセンターが出来るそうです。教区の勧めもあり、急遽、代替地を探す不動産屋巡りが始まりました。50件ほど見て回ってようやく良い候補物件が2件与えられました。目下価格交渉中です。2-3年の本格工事が始まれば騒音と粉じんで礼拝や居住にも支障が出るので、祈りながら急いでいます。高齢者も多いので駅から近い所で、伝道も進むよう日系社会の中心地に戻れるよう募金や資金繰りも苦労し、またJELCにも相談しているところです。 - 祈りは、教室で50人登録、日語とポ語の礼拝で30人出席。そしてパロキア全体で共働し将来を見つめ、自立・継続可能な教会に一回り成長させて頂くことです。教会移転も神様が下さったチャンスではと思います。

中古車探し、不動産屋巡り、職探しと、課題が次々にあると祈らされます。地に足のついた?牧師らしい毎日を歩ませて頂いているように感じ、感謝しています。サンパウロの朝祷会でも毎月、「日本伝道が進むよう」と祈られています。皆さまの上にも、大きな祝福がありますように。

(むさしのだより2009年 11月号より)