たより巻頭言『祝宴への招き』 大柴 譲治

宣教75周年記念月間が終わった。詳しい報告は田坂委員長に譲るとして、10月の各主日礼拝は豊かな恵みと感謝とに満たされた祝宴であった。特に10月8日の礼拝は私にとって、恩師である石居正己、L・キスラー、賀来周一という3人の先輩牧師たちと共に守ることができたことは至福の瞬間であった。このためにご準備くださった実行委員会をはじめ、役員会、伝道委員会、たより編集委員会、事務局スタッフ、ならびに祈りにおいて支えてくださったすべての方々に心から感謝したいと思う。

 私たちは今回、75周年記念礼拝に合わせて7人の歴代牧師による説教集『祝宴への招き』を出版した。そこには教会暦に沿って14編の説教が収められている。牧師たちの声がそのまま響いてくるような説教集である。その基調音は「喜び」。個々の語り口の違いを越えて、キリストの祝宴に与ることの大いなる喜びが響いている。秋の深まってゆくこの時に、じっくりと味読していただきたいと願う。なお、今回のむさしのだよりは「75周年特集号」として10月になされた3つの説教を掲載した。『続・祝宴への招き』という趣がある。そこには、むさしの教会の「説教と聖礼典」を大切に思う姿勢が表れている。

 主は静かな声で私たちを招く。「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」(マタイ11:28)。また主は、大きな叫びをもって私たちを招く。「渇いている人はだれでも、わたしのところに来て飲みなさい」(ヨハネ7:37)。静かな声の中にも大きな叫び声の中にも、そこには主の熱い愛がある。「祝宴への招き」とは主の愛の招きなのだ。そこでは涙はやがてぬぐい去られ、「もはや死はなく、もはや悲しみも嘆きも労苦もない」(黙示録21:4)究極の目的地が約束されている。そのような旅の途上にあって私たちは主の祝宴に与る。これからもご一緒に旅を続けてゆきたい。