解説「ベテル聖研について」 大柴譲治




ベテル聖書研究 旧・新約の学び
むさしの教会では第1回のベテル聖書研究・旧新約の学びの完了を記念して、たよりに特集号(2002/5月号)を組みました。

『ベテル聖研を終えて』
ベテル聖研・旧新約クラスの参加者たちの感想です

ベテル聖書研究会のホームページが開設されました。




今回は比較的脚光を浴びることの少ない聖書研究がむさしのだよりの特集に取りあげられたことを感謝したい。み言葉の学びは私たちの日常生活の中で何よりも大切なことだからである。

1999年3月より三年がかりで取り組んできたベテル聖研旧新約の学びを2002年3月13日、無事終えることができた。旧新約の受講者はそれぞれ17名。求道者もおられたし、洗礼にまで導かれた方もいた。原則として出席者には無遅刻・無欠席が求められ、宿題や試験もある。厳しい聖研であると聞いて遠慮された方も少なくなかったであろう。しかし実際には、牧師の柔和な(?)性格もあってそれらの原則は柔軟に運用されていった。

旧約20課、新約20課の学びを通し、「雨にも負けず、風にも負けず」無遅刻無欠席を貫かれたのは85歳の柴崎芳子姉。ここにその忠実さを覚えて多としたい。なお、最高齢者は91歳の鈴木もと子姉で、こちらもほぼ皆勤。柴崎姉と共にキリスト者の全生涯がみ言葉の学びであるということを体現してくださり、牧師としても姿勢が正される思いがした。覚えて感謝したい。また、勇気をもって参加されたお一人おひとりの労をねぎらうこととしたい。

ベテル聖研について。1961年に米国ウィスコンシン州マジソン市で開かれた米国第1回旧新約講習会に、当時セントポールのルーテル神学校に留学中の大柴俊和師(元日本福音ルーテル教会牧師)が参加したことが機縁となり、1964年に日本でもベテル聖書研究会が発足することとなった。大柴牧師は1971年より専従となる。ルーテル教会牧師のハーレイ・スウィガム博士によって書かれたテクストが大柴師によって翻訳され、静岡にあった東海ルーテル聖書学院や静岡教会、岡山教会などで用いられた。

ベテル聖研では旧新約聖書全体を救済史的な視点から学ぶが、記憶を助けるために教材に絵を用いることがその大きな特徴の一つである。これまでの40年間に日本において指導者の講習を受けた者が約二千人、ベテル聖研を終了した者が続編を含めて四万人近くいる。参加教派は50 以上に渡るということも特筆に値しよう。日本のキリスト教史においてベテル聖研の果たしたエキュメニカルな役割は大きい。

旧新約以外にも続編として『十戒』『日々の宝石(箴言)』『あがないの教会』『結婚』などがある。2002年は7月の最初に市川で続編講習会があるので、参加希望者は牧師まで。

(2002年5月)