スオミの夏(2)   ヨハンナ・ハリュラ

 スオミの夏の白夜は、世界でもめずらしく、有名です。夜になっても外は明るく、みんなでゲームをしたり座っておしゃべりをしたり、太陽が夜遅くになって沈むのをながめたり・・・でも、そんなしずかな夜に一つだけ好きじゃないものがあります。それは、たくさんの蚊です。蚊を退治するのに薬はいろいろありますが、一番いいのは火を焚くことです。

 また、スオミの有名なことの一つにサウナに入ったり湖で遊んだりすることがありますが、これも夏の夜によく行われます。このように、フィンランド人にとって夏の白夜は本当にのんびりできて気持ちが良く、誰にとっても懐かしい情景です。そうして夜遅くまで起きているので、眠る時間がいつもより短くなってしまいます。そして、迎える夏の朝はすずしく、鳥の鳴き声が降り注ぎ川の流れの音が満ちあふれる、まるで夢のような景色です。

 また、特に夏になるとフィンランド人は好んでスポーツをしたり試合を見物したりします。野球に似たスオミ独特のベースボール、そしてサッカーやビーチボールを大勢の人たちが楽しみます。

 キリスト教と教会との関係では、スオミではミッション主催で信徒や未信者の為の大きな大会が数多く行われます。そこでは大勢の人たちに福音を伝えるプログラムがあって、街には福音のための音楽やクリスチャンによる音楽などが流されます。

 “結婚式”も夏のイメージの強いものの一つですが、それについてはまた今度くわしく書きましょう。

 夏も終わりに近づくと、庭や森でリンゴやベリーを採ったり、キノコ狩りや魚釣りに行きます。そして、収穫したものからは美味しいおやつや食糧や飲み物が手軽に作れます。秋の気配を感じるようになると、夕方暗くなってくる頃にロウソクと暖炉に火を灯します。その炎は美しく、これもまた懐かしい情景です。

 子どもの時から私の頭の中には、あったかい暑いくらいの夏のイメージがありましたが、実は梅雨のような夏の天気のこともありました。これら全ての私の夏のイメージを見てみると、私は長くて暑くて明るい夏が好きです。

(2001年7/8月号)