クミン-イザヤの預言   池宮 妙子

「畑の面を平らにしたなら、いのんどとクミンの種は、広く蒔き散らし、小麦は畝に、大麦は印をしたところに、裸麦は畑の端にと、種を蒔くではないか。・・・いのんどは打穀機で打たず、クミンの上に打穀車を引き回すことはしない。いのんどは棒で打ち、クミンは杖で打つ。」(イザヤ書28:25、27)

「偽善な律法学者、パリサイ人たちよ。あなたがたは、わざわいである。はっか、いのんど、クミンなどの薬味の十分の一を宮に納めておりながら、律法の中でもっと重要な、公平とあわれみと忠実とを見のがしている。それもしなければならないが、これも見のがしてはならない。」(マタイ福音書23:23)

 新旧約聖書に記されている植物の種類は100~115種とされています。その中で疑いなく明瞭な種類は50%。ハーブ植物について調べますと25種以上でした。ハーブ愛好家の一人としてクミンが聖書時代の植物という事実は驚きでした。

 BC721年、北イスラエル王国はアッシリア帝国によって滅亡し、風に舞う木の葉のように散らされ、歴史の舞台から消えました。イザヤはユダの人々に、神の計らいは驚くべきものだから、ヤハウェの信仰に戻るようにクミンの喩えをもって警告しました。

 クミンは一年生草木、原産地地中海沿岸。細い茎が30cm位伸び、枝端に白、桃色小花をつけます。種子は強い芳香とぴりっとした味。香料、香辛料(カレー粉の材料)に。播種は五月、10℃以上で生育します。

 種子は「生活の木 本店・支店」「カリス成城」で販売。

   学名:Cuminum Cyminum L.
   科名:セリ科
   和名:ヒメウィキョウ
   英名:Cuminn

(2000年10月号)