編集後記 「離岸流」 秋田 淳子

砂浜に押し寄せられた波が沖に戻るとき、ある場所に生じる一気に沖に戻ろうとする勢いのある波を離岸流と言います。この波の流れにはまると、いくら泳ぎの上手な人でも、どんどん沖へと流されて行ってしまうのです。

そうなった場合、とにかく慌てないでその離岸流に自分の体をまかせるか、あるいはその流れに逆らわずにちょっと横に出れば良いのです。前者の場合、沖に戻るまでの間に流れが穏やかになる為で、後者の場合は、その流れが普通の静かな波と波に挟まれているからです。

何か思いもかけなかった出来事に遭遇したとき、パニックに陥ってしまって、より悪い方向や結果に進んでいってしまうことがあります。しかし、自分は今どういう状況に立たされているか、そして、どういう状況に戻りたいかを落ち着いて考えてみれば、そこから逃れる道は意外と簡単に見つかるのかもしれません。

神様は、いろんな波を私たちに寄せています。でも、祈っていれば、プカプカと戯れることもサーフィンで思いっきり楽しんだりできる波です。