編集後記 「からし種ひとつぶ」 秋田 淳子

礼拝の説教を聞いている時のことです。聖歌隊の席に座っている私からは、礼拝堂の天井から長く吊り下げられている電燈がよく見えます。それをジッと見つめながら説教を聞いていたのですが、ふと気がつくと私は心の中で「揺れろ~、揺れろ~」と念じていたのです。

「揺れろ~、揺れろ~、揺れるんだぁ」と、だんだん真剣になっていくうちにその想いが通じてか、一瞬、揺れた。確かに電燈が揺れたのです。「えっ、まさか!でも、もしかして私って超能力者?」と驚いて、気を落ち着かせてよくよく様子を確かめてみると……なぁんだ、電燈が揺れたのはエアコンからの空気の流れが原因していたようなのです。

「からし種一粒ほどの信仰があるなら、山にむかって『ここからあそこに移れ』と言えば、移るであろう」マタイ17章20節
と、聖書には記されています。

山をも動かすことの出来ないこの私にはからし種一粒さえの大きさの信仰も育まれていない、ということになるのでしょう。まだまだ……です。