編集後記 「流れに身を任せて」 秋田 淳子

私が大学生のときのことです。自分は卒業後に具体的に何をしたいのかと真剣に考えるようになり、少し焦りを感じ始めていた頃でもありました。

そんなある日、私が電車に乗ると隣りで小学生4~5年生位の女の子に、そのお母さんが次の様に話していました。

「自分が流されないように必死になってその流れに逆らわずに生きていこうとすることって、とてもエネルギーが要ることなの。また、流れに自然に身を任せていくことも間違った生き方ではなくて、そこでも多くのことを経験できるのよ」

私は驚きました。その時の私は、将来のことを色々と考えながら自分の考えや生き方が周りの人や物事に流されない様、とっても神経質になっていたので、そのお母さんの言葉は、まさにそんな私の思いに届けられたものだったからです。

そして、『神様は後ろから前から私を囲み、私の上にみ手を置かれ、私をとこしえに正しき道に導かれます』という聖書の言葉とも出会った瞬間、張り詰めていた私の全身がフッと弛み、将来がとっても広々と見えてきたのでした。

(2000年 2月)