むさしのだより「井戸端の戸」 声


私の夫と面識のない友人より、「旦那さんはすごくいい人ね」といわれ、不思議に思い理由を尋ねました。彼女曰く、電話口で明るく親しげに応対されて、とてもよい印象をもったとのことでした。確かに彼は会ったことがない人でも、私の友人であれば、自分の知人であるかのように電話で親しげに話してくれます。声にこめられた親愛の情が相手にも伝わるのでしょう。そして、電話の場合、声の印象は、そのままその人の印象になるようです。

逆にその人の印象から、その人の声を想像するということがあります。小説など読むとき、なんとなく登場人物の声を想像したりしませんか。では、イエス様はどんなお声だったのでしょう。重々しくおごそかな声? 温かく包み込むような声? 力強く説得力のある声? 少しこもったような声? 意外に甲高い声だったり? 人々がそれぞれ想像するイエス様のお声は十人十音、異なっていることでしょう。時にそれは心地よかったり、厳しかったり、悲しげだったり、でもどんな時でも心に響く声なのだろうと思います。

(と)
 (たより2008年 9月号)