むさしのだより「井戸端の戸」 とかくに人の世は


「身を立て名をあげ、やよ励めよ(小学唱歌)」
「令名(よい評判)は大いなる富にまさり(箴言22.1)」
「あなた方は世の光である(中略)燭台の上に置いて家の中全てを照らす(マタイ5.14)」
「全ての人に誉められるときあなたがたは不幸である(ルカ6.26)」
「おのれを低くして死に至るまで(ピリピ2.8)」 
「多くの先の者はあとになり、あとの者は先になる(マタイ19.30)」
「いちばん上になりたい者はみなの僕になりなさい(マタイ20.27)」

一番目のは究極の親孝行を孔子が説いた言葉で立身出世奨励ではないとか。個々には納得できても、並べてみると駆け出し者にはコンガラカッテしまう。

「とかくに人の世は住みにくい(夏目漱石『草枕』)」 

世の中全て多面的にして矛盾に満ちている故、当編集室に入ってくる様々なものも先入観を無くして素直に受け入れるのが正道なのでしょうが、これが案外に難しくて・・・

(は)
 (たより2009年 5月号)