むさしのだより「井戸端の戸」 「ことだまのさきはうくに」


「困ったことは起らない。」「すべてが旨く行く。」「イヤなことは思い出さない。」早朝のラジオである精神科医の先生が,この三つを常々自分に言い聞かせていれば,鬱病患者の大半は高価な新薬を使うこともなく治ってしまうと話していた。またある統計で投薬の際先生の丁寧な説明があると60%の患者に効果があるが,説明ナシでは僅か15%であったとか。万葉集にも「ことだま(言葉)のさき(幸)はう(生む)くに」とこの国は言葉に動かされると書かれている。人間の活動の全てが言葉をベースにしていて、とここで思い出すのがヨハネ福音書の冒頭。アレッ、ちょっとはクリスチャンらしくなれたのかな。とにかく人も国も文明・文化も言葉、すなわちオシャベリが支えているとするか。

(ハ)
 (たより2010年 7月号)