「皆さん、こんにちは」 伊藤節彦

皆さん、こんにちは。4月から実習をさせて頂いています仙台教会出身、神学校二年の伊藤節彦(よしひこ)です。昨年私自身は八王子教会で実習させて頂きましたが、妻と娘は昨年の8月からむさしのでお世話になっております。今年は家族揃って礼拝を守ることが出来、感謝です。3 月31日に行われた受難週における証し会でも語らせて頂きましたが、以下に私の生い立ちを含めた簡単な自己紹介を述べさせて頂きます。

私は、改革派系の教会に所属する両親を持つクリスチャン二世として、四人兄弟の長男として生まれ育ちました。私が満一歳の誕生日を迎える前に、生死をさまよう大病を与えられ、当時の医者はそのような私を前に、ただ手をこまねいて死を待つしかないといった状態だったそうです。ところが牧師先生は、泣くことも出来ずにいた赤子の私を見つめ、共に集まって下さっていた兄弟姉妹達との祈りの中で「この病、死に至らず(ヨハネ 11:4)」というみ言葉を与えられ、難色を示す医師に手術を迫ったそうです。予想通り手術は難航したそうですが、篤い祈りに支えられ、なんとか命を繋ぐことが許されたのでした。

このことは折にふれ私の心の中に、自分の生は神様の御用のために再び与えられた命であり、何かしら主が備え給う道があるに違いないという思いとなって去来しました。そのことを反芻するように学生生活を送る中、18歳の時、神学校に進み献身の道を歩みたいと教会に申し出ました。しかし長老会からの勧めは、「就職し社会生活を経験した後に、それでも献身の気持ちが揺るがなければ、それからでも遅くない。」というものでした。そこで学業を続け、卒業後ソニーに入社しましたが、入社面接では「私はクリスチャンであり、日曜日は聖日として守りたいが問題はないか?」とハッキリと信仰を告白いたしました。そこには、神様がこの会社を私に備えて下さっているのなら必ず理解してもらえるであろう、という確信が与えられていたからです。この素晴らしい会社で24年間お世話になり、多くのことを経験し学べたことは、貴重な財産だと思っています。

ルーテル教会との出会いは1985年でした。信仰の友が与えられ、共に1989年のクリスマスに受洗する恵みを与えられました。そして1991年には韓国巡礼の旅に参加し、大柴先生ご家族そして福山教会出身の妻との出会いが与えられました。結婚に至るには幾多の困難がありましたが、しかしそれを乗り越える道も与えて下さり、大柴先生に結婚式をして頂きました。その大柴先生が牧会されている武蔵野教会でこのように家族と共に実習させて頂くことになるとは、神様のご計画は測り知ることが出来ません。

土の器以外の何物でもない私ですが、このような私を生まれる前から聖別し、病を癒し、職場を与え、同じ信仰を持つ伴侶、その上更にわが家族の宝である娘まで与えて下さった主なる神様。私のこの小さな歩みを今日まで守り導いて下さった主の召しに応え、家族と共に献身の道を歩ませて頂きたいと考えております。主に感謝!

(むさしのだより2010年 5月号より)